介護のコラム

デイサービス立ち上げのきっかけとなった13年間の介護生活は、ここから始まりました。

介護生活の始まり

2003年12月、突然の起きた爺さんの脳梗塞、S字結腸癌の術後2日後に起こった。それは右大静脈が詰まったという事だった。
入院中に起きて、処置が早かったから助かったけれど、もし自宅でこの脳梗塞が起きていたら十中八九助からなかったと先生から説明があった。
なんと運の良い人なのだろうと思いながら、この時はまだ凄まじい介護生活が始まるとは思ってもいませんでした。

1週間後ICUから一般病棟へ移った、先生や看護師さんから「直ぐに歩けるようになりますよ」と声をかけてもらっていたので、数日後には歩けるんだと安易に思っていました。

トイレに行きたいと言うので、少し介助したら簡単に行けると思って二人でトイレに向かうも、爺さまは不安定、便座に座るように言うも、
「男は座ってションベンできるか!」
とこの時は爺さんもまだまだ強気そのものでした。
私も未経験だったので言われるがまま、便座の前に立ち、ズボンを下ろそうとした時にバランスを崩し、2人してトイレの床に倒れ込み、私は咄嗟に怪我をさせていけないと、爺さんの下敷きとなりました。そのまま二人ともおしっこでびちゃびちゃになり、当時78キロの爺さまが乗っかる姿勢では身動きが取れず二人で泣きました。爺さんは「すまんな、すまんな」と泣きながら繰り返していました。
十数分後、看護師さんが助けに入ってくれるまでの間、私は「助けて~、誰かいませんか?」と叫びながら涙が止まりませんでした。

介護生活の始まり

その後でした、数ヶ月間リハビリを受けないと歩けないと知り、爺さんは愕然としていました。
車椅子で院内を散歩に出かけ「頑張ってリハビリ受けたら歩ける様になるからね、歩ける様になったら何処に行きたい?」と励ましたつもりが、
「歩ける様になったら、ココから飛び降りて死にたい」
と爺さんの弱気発言で、私よりももっと辛い思いをしていると、突然自由を奪われた爺さんの大きなショックと不安を知りました。

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